オアシス/ポンテク
 
僕は荒野をさまよっていた
ただやみくもにまっすぐ歩いていた
周りはあれ廃れ 誰もいない
いつから ここにいるのか

意識も もうろうとしていた
誰でもいい 誰でもいいから
人に会いたい
人と話がしたい
今まであった事をいろいろ話したい

そんなささやかな願いもむなしく
行けども行けども 人の気配すらない

いつしか 道が二つに分かれていた
真ん中に一本の標札があり
  [町]       [国立動物公園]
と二つ書かれていた

一目散に町へ行きかけたが立ち止まり
一生懸命思い出していた
前も同じ選択をせまられたような

人を求めるがゆえの選択
ほとんどの場合人の存在のおかげで自分の存在があることを選択してしまう
必然

選択をまったく無視しまっすぐ突き進んで行く時 その先には
オアシスがあったりするのだろうか
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