サイト荒らしと冬と春/第2の地球
 
5999人と同じだけ弱いその1人を。

    こぼれてしまった?

彼らはあいつの弱さを認めなかったし、
あいつも自分の弱さを認めず、事態は一向に好転しなかった。

    こぼしてしまった?

ふとしたことからあいつとコンタクトを取るようになった。
でも
荒らしを止めろとは絶対に言えなかった。
ごくろうさま
毎日それだけ言った。
こぼれたあいつに寄り添っている気になった。
 
それも私のエゴに過ぎない。

隙間は隙間を産み続ける。

サイトは荒れ続けた。

もしあいつが助かるなら、そのサイトは消えてもいいとさえ思った。
5999人と1人との重さは、
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