二分休符/mmnkt
 
たまに空が全体を包むような
そんな日は地動説を疑いたくなる
三六〇度の空を心で眺めている
中を視ている
半透明の目の中に私がいて
包むように視られているという感覚が
アフォーダンスを否定する
街灯が生き物として
求愛のために光っているが
対象が何であるかは分からない
私のような気がしても
その考えは捨てなくてはいけない
夕暮れの粒子は
二分休符と同じ形をしている
音のない音として
静けさに似た孤独が
肋骨のすき間に入り込んでくる
戻る   Point(2)