日暮れに口をあけてる/
帆場蔵人
そこにいて、あそこにいて
あちらにもこちらにもいる夕ぐれ
夕まぐれ、ぽつりと川の中洲に
陽が落ちている、ぽかんとしている
誰もが知っていて誰も知らない
歌を烏が知らないよ、と歌う
なんだかぽかんとしてしまう
みんながみんなぽかんとしてる
あのぽかんから何が出てくるのだろう
ぽかんとせずにみていたけれど
陽が落ちてなんにもみえないから
ぽかんと口を開けたまま川風が
なんとも気持ちのいい夜です
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