原始人魚/ただのみきや
 
 わたしと契り
  わたしが喰らう
そうして孵り
  わたしの海
      共に還る

   
だがそれらすべてが
冷やかな蒼天に吊られたまま
干乾びて往くだろう
鏡の鱗で眼を裂いた 今
薄暮の茫漠を手探りで描く
       異端の巡礼
         物乞いは歌う
           誰もいない




                  《原始人魚:2020年1月5日》









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