無題/朧月夜
 
青い色の湖のなかであなたはたゆたっている。
青い色の水があなたの塵と埃とを洗い流す。
(わたしのことは忘れてしまったのでしょうか?)

遠い空には、シリウス、ベテルギウス、プロキオン。
この街にいてはそんな星々の姿も見当たらない。
青い色の湖のなかであなたはゆられている。

(わたしのことは忘れてしまったのでしょうね)
青い色の水はあなたの罪と咎とを洗い流す。
(ああ、あなたに罪や咎などあっただろうか……)

この寒空の下に、何を求めるというの?
世界がわたしたちの巡りを回っているということを、
告げればそれは罪となるのだろう。

地球という星にはたして神はいるのだ
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