201912第四週詩編/ただのみきや
 
込んだ幼子が遊んでいる
遠くからでもわかる
紅い頬と白い息 笑みを浮かべ
あと数回滑れば
父に引かれたそりにちょこんと乗って
帰るのだろう 寒い日だから
冷えたからだが温まるころ
いとも容易く眠りにおちるだろう
深く 深く すとんと落ちて
底まで落ちない 
なにかの手が受けとめる



 *
赤い花弁から濃い匂いがする
ラムで湿ったキスの匂い
その女が奏でるギターと歌声は
もう一人の女になって踊り出す
髪を振り乱して腰でスウィングする
花弁の上の瞳は解けない謎で
いつまでもわたしを虜にする









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