無敵の人(初稿)/れつら
 
ると仄白くまるで羊
丘の上を灰色に埋め尽くし、ゆっくりとフリーズ
なにもかもが静止して自分以外をリロードし続ける
画面を引っ張っても破いても
なにも出てきやしなかった真っ白な日
ようやく電源が切れた


あの最高の出来事…


あの最高の時間…


胸ポケットにライター、入れたかどうか不安になって尻ポケットにも入れると
家の鍵を忘れるけど問題ない、もう帰るつもりもない
帰って失うものもない
寝ながらに書いたプロットがあまりにありふれて
しかしありふれた生でいいんだと肯定して
そのせいか簡単にコピーされ流布してしまった
もうどちらが子で親かわからないほど

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