かわいい領域/mmnkt
四車線の
道路の真ん中で丸い木が揺れ
葉を擦らせて薄い音を出す
男性同士が手をつないでいて
なんとなく初々しかった
電車では倒しそびれたシートに座り
ボックス席でもないのに向かい合う
座るより立っていたかった少年は
立派に血眼で席を探す大人になりました
揺られていたかった
冬に訪れる春の電車は
誰もいない惑星
酸素がなくても生きていける
トマトが安売りされている
目が冴えるまで
私は毛布に包まっていた
隣の乗客は買い物袋などで
一人で二席を占め
格闘家のように逞しく眠っている
レザーのスカートが
似合っていない気がして
呼吸がワンテンポずれ
「予防接種を
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