抽象と具象、そして写生/こたきひろし
絵筆ではなく
言葉のペンでするスケッチ
現実からかけ離れた場所に椅子を置いて
そこに身を委ね
手には大学ノートではなく
スマホを持ってる
頭の中で思索を巡らしていたら
そこからみえる遠景は
宇宙まで広がっていく
時間は過去から未来へと
光は
暗闇の中から
何の前兆もなく突然あらわれたりして
そして
死は依然として側に横たわっている
樹木や草花は
枯れたり
萎れたり
荒野をかけめぐる渇いた風に
痩せた心はヒリヒリする
さて
詩でも
スマホに打ち込もうか
ネットの儚い宇宙に
籠から
鳥を放つみたいに
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