201912第三週詩編/ただのみきや
 
いまま卵の中で老いる

見定めようとする 心は
風が抱く空白のトルソー

卵を割って食卓に乗せる嘘
あさはかさと儚さに熱が通るころ
大切なことが抜け落ちたまま
ニュースが人々を無色に染め上げる

あなたの胸に揺れる
ペンダントトップはパズルの一ピース
色と形が気に入ったと言う
全体像を思い描くことはない
たぶんい つまでも
欠片が全体だった

わたしの一ピースは
違うものに属していた 明らかに










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