201912第三週詩編/ただのみきや
 
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貧しい子どもたちのモノクロの微笑み
冬の頼りない日差しに委ねる頬

悪意は悪意のままでだけ美しい
信じることと騙されることが同義となった今

焦点は暈されたまま
クシャクシャに丸めた情緒がゴミ箱の周りに溢れている

見知らぬキスがひとつ
深く切り裂かれた皺に降る

かつて河があった荒地を測量している
恣意的なコンパスと吊るには良い計り縄



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言葉は音と意を持つ
だから詩は楽器を奏でるようにも
絵画を描くようにも書ける
なにかを題材にしようと
見つめれば見つめるほど
映り込む己
ガラスの曲線に歪んだ幽霊の顔



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