201912第三週詩編/ただのみきや
*
貧しい子どもたちのモノクロの微笑み
冬の頼りない日差しに委ねる頬
悪意は悪意のままでだけ美しい
信じることと騙されることが同義となった今
焦点は暈されたまま
クシャクシャに丸めた情緒がゴミ箱の周りに溢れている
見知らぬキスがひとつ
深く切り裂かれた皺に降る
かつて河があった荒地を測量している
恣意的なコンパスと吊るには良い計り縄
**
言葉は音と意を持つ
だから詩は楽器を奏でるようにも
絵画を描くようにも書ける
なにかを題材にしようと
見つめれば見つめるほど
映り込む己
ガラスの曲線に歪んだ幽霊の顔
{引
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)