架空の靴/
阪井マチ
恋人にもらった架空の靴で街を歩こうか。
(逐われる度に痛むんだ心臓が)
精神を病めば幽霊が見られなくなるんじゃないか?
(湿地で恋を叫びながら踊る人間たち)
かつての人は豹変する。
(架空の靴で絵を描こうか?)
やがて降りてきたリボンの一叢が
(あなたを覆い隠すでしょう)
湿地で叫ぶ活力もなく。
(いいえあなたがいるのは砂漠)
乾いた身体が街を歩いている。
(あなたが買った架空の靴で)
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