云い放つ、『良い人なんて、大嫌いっ!』/秋葉竹
純白のけものと化していた。
だから、
ある日、
それまで全く無関係だった一匹のけものが
あの歌を聴いた、
というのは、
彼女の
初恋の人の《こころ》を
聴いたということ。
だから、その切れ切れの歌たちは、
嘘みたいな純情を胸に飼って、
けれどけっして『いい人』とは思われない
彼女の夜の秘かな楽しみとなった。
純白のけもの?
『いい人』ではない、彼女?
そう、それは、わたし。
この心の残欠をさがして
生きてゆくことを誓ったおんな。
残欠、それは、あなた。
ゆえに、救われない、わたし。
ねぇ?
ぜつぼうって、みたこ
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