ノエル/杏っ子
 
あなたとわたしの約束が
野ざらしにされて
風化していく。

そして訪れる
クリスマスの
雪だるまがあなたの顔に似ている。

たとえば、キスという概念が
二人の間に降り注ぐことはなく
このまま
ジングルベルの黄金の響きと同じく
耳元を素通りしていくだけなのか。

クリスマスケーキの生クリームが
舌の上で雪解ける。
そんな甘い思い出となり得ない

二人の現実的な事情はさておき
クリスマスを祝おうよ。


冬よ
閉じ込めて
わたしの中に眠る希望
その雪で
土の下であたためて
春には希望として芽吹くはずの
愛という名の
花の種。



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