言葉のボール/服部 剛
 


息子についての
深い悩みを抱えるのは
――私だけではなかった と

午前〇時過ぎ 
すやすや寝息をたてて
ママの隣で眠る子よ

パパはこれからも数え切れないほど 
君に言葉のボールを投げるだろう

 いってらっしゃい おかえりなさい
 いただきます ごちそうさま 
 おはよう おやすみ 
 ごめんなさい ありがとう

――世界にひとりの我が子よ 

君が決して無言の壁ではなく
いつか?ママ?と言う日を夢見て
パパは明日も、ボールを投げる  





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