セキメイ/
成澤 和樹
石鳴り渡る日々過ごす月下
意思成り噤む日々過ごす晩夏
無我より生まれた自我 人は衰えたか
煩悶を良しとせず あえて振舞う奔放は優か
苦悩の輪廻の中で 膨大な自我が無我になることは?
物言わない傍らの一石 その内にも言葉達は無いと?
ただ言わないのだ ただ ただ
ひたすらに巡った挙句 全てが私の中で分解され
水に還ったのだ
石鳴り渡る日々過ごす月下
意思成り噤む日々過ごす晩夏
若くして鳴り響いた石共は
散り散りになった水滴の出水に没した
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