一匹の雄/viraj
 
などが走馬灯となって蘇って来た。  

私はそれらに無関心で何一つ動じなかった。  

あらゆる嫌な思い出がフラッシュバックしたが、不思議なことに苦しみはなかった。

もちろん嫌な感じは多少するのだが、一切を受容しているがゆえに、それらに無関心なのであった。

愛があれば落ち着きがある。落ち着きがあるところに苦しみも悲しみもない。

悲しみそのものは悪くない。悲しみに混乱することが悲しみを存続するんだ。

一切は海の波のように海から出て海へ帰って行くのでした。 

私は、人生におけるスフィンクスの謎を解きました。

もう人生学ぶことはありません。

学び続けることができるようになったから。

ありのままに物事を見れる強さを持てるようになったから。

正当化非難する理性を意志で鎮圧し、間違ったことは即座に改めれる。

それができてこそ英雄ではないか。

英雄の心は女であった。

一匹の雄は、女によって作られたから
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