一夜、すぎ/秋葉竹
 

小刻みに震えながら、
想いかえしては、感じるの、かね?
それとも、返して、欲しいの、かね?

なにも、棄てないさ

この手に握った突風の跡には、
君の笑顔の写真しか、
残されていないのだから。

それさえ、幻の蜃気楼だと
嗤う、かね?

《ソンナ訳ニハ、イカナイ》

一夜、すぎ
ほんとうがあった、ことは
ずいぶんと昔から知っていたし、

いまも、知っている、
ものなのだから。









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