12月/
両性具有
芝生の上にすわって
ぼくは
ポケットのビスケットを半分にして
ひとつきみに渡した
「あげる」って言ってから
ぼくはもう半分を食べた
きみは
となりにいなかったから
きみのぶんもぼくが食べた
それからカバンをしょって
帰り道を歩いた
家に帰ると母に
おしりに芝生がついてきていることを
やさしくとがめられた
そんな記憶を
ぼくは凍てつく冬の夜明けに
毛布にくるまって自慰に耽りながら
思い出してしまった
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