無題/朧月夜
 
一つの手がわたしたちに所属する。
ありふれた闇のなかで。

わたしたちはレベリオンを目指して、
レボリューションを目指さない。

哲学者や詩人のようには、
決して語り得ないわたしたちの抵抗。

あなたの顔は青ざめて、
時に涙を流しながらも沈黙するだろう、

わたしたちに所属するのはいつだって、
この寡黙な一本の手だけなのだと。

昼間にも星が見えると言えば、
あなたたちの誰もが信じないのだろうか。

しかし、昼間にも星は見えているのだ、
わたしたちの眼眸に。それが一つの抵抗。

一つの手だけがわたしたちに所属する。
語り得ない闇を払って。

詩人よ、
[次のページ]
戻る   Point(6)