無題/朧月夜
一つの手がわたしたちに所属する。
ありふれた闇のなかで。
わたしたちはレベリオンを目指して、
レボリューションを目指さない。
哲学者や詩人のようには、
決して語り得ないわたしたちの抵抗。
あなたの顔は青ざめて、
時に涙を流しながらも沈黙するだろう、
わたしたちに所属するのはいつだって、
この寡黙な一本の手だけなのだと。
昼間にも星が見えると言えば、
あなたたちの誰もが信じないのだろうか。
しかし、昼間にも星は見えているのだ、
わたしたちの眼眸に。それが一つの抵抗。
一つの手だけがわたしたちに所属する。
語り得ない闇を払って。
詩人よ、
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