201912第二週詩編/ただのみきや
 
面の凹凸にも似て
隆起した喜びは悲しみの陰影に掘り抜かれたもの
燃え上る夕陽もすっかり闇に飲まれてしまう

わたしは美しい宝石を飲み込んだ
それは星となってわたしの明けない夜と共にある
無邪気な振舞で覆う 自らの血で赤い表現者よ



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生活を煮詰めてジャムにした
どんなにたっぷりパンに塗っても
味気がなくてしょうがない

恋を煮詰めてジャムにした
色こそきれいだが酸っぱい苦い
たっぷり砂糖を足さないと

言葉を煮詰めてジャムにした
湯気が上がってグツグツ鳴って匂いもしたが
鍋を覗けば空っぽだ

不在のジャムと白いパン
無いものを在るかのように塗り
ジャムの味がするかのように食べる

技術もそうだが
追憶と想像力が鍵











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