死のオムニバス/こたきひろし
 
小學校に上がるか上がらない頃でした
ある日の黄昏時
お須賀ばあちゃんは便所で倒れてしまいました
凄い音がしたので
孫の私が見に行くと
お須賀ばあちゃんは横倒しになっていて
小刻みに体が震えてました
私はビックリして
裏の畑で作業していた父母を呼びにいきました
医者と看護婦が隣村の診療所から自転車でやって来ましたが、既にお須賀ばあちゃんは
自宅の畳に敷かれた布団のなかで
往生していました

まだ定期バスに車掌が乗っていた頃でした
県道は舗装されておらず砂利道でした
気立てがよく美人と評判だった車掌さんが
どういう経緯でそうなったかは不明ですが
近隣の若い男に暴行され
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