無機質な空間/
佐白光
車の走る音も消え去る夜
終わりのないテレビは
コマーシャルが流れ続ける
今は砂の嵐がやってくることもなく
平べったい音が妙に落ち着く
明日のことを考えるでもなく
今日を振り返るでもなく
胸の中で膨らんだ風船が破裂するのを待つ今は
この無機質な空間と時間が救いの手になる
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