くさかれて/AB(なかほど)
 
くさかきわけて
さきへさきへそのさきへ


草かき分けて
先へ先へその先へ
変わり続けるか変わらぬか
令和のその先へも
手を伸ばす


気づいてしまったことに
常々蓋をするように
眠る夜の夢のその中の
野辺への想いを伝える夢の中の
飛脚さんへのお願いごと
昨日、今日、明日の
約束された約束などない
祇へ届くように


遠く離れていても
覚えていてね
理由なんてない寒さも
消せないどこかの傷痕も
立派な真心の無駄遣いも


くさかれて
さきへさきへそのさきへ







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