仕事/乾 加津也
 
今日も

ボックスに入り
ボックスの電源を入れ
ボックスを叩くと広がる
ワーク・スクエア

ぬくもりのある
白いスクエアをいくつも広げて眺める
その片隅に
小さな赤い
サークルはきれいだ
取っ手のついた
膨らむスクエアに入れて
連結のボックスで移動する

ほとんどはモノトーンで
そこここに 気儘に重なり合う
景色という風景


予測不能の
展開が組み合わされ
たまに 聞いたこともない
美しい音色が奏でられる
知らないうちに
幸福が零れ落ちてしまう
そういう あかるさの
瞬間はとうめい


苦しみを 否定はしない
そこにある小さなメロディーを探したい


色どりは日の注ぐ
空の下

ハーモニーはわたしの
重さを破って
いつかほとばしるだろう









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