892,800秒/竜門勇気
かな瓶の中で
無茶苦茶にかき混ぜられて
時々その痛みを思い返すだけだ
匂いは街角にも
部屋の中にも溢れていて
すこし混乱はする
心のなかに棘があったような気がして
そしてそいつには
か細い糸が引っかかってたような気もした
切れそうな糸のことをいつも考えていた
それだけがここまで繋がっている
いつか切れてしまったその時のことを
思い出せない
892,800秒の距離
ぼくとその糸の向こうまで
ずっと歩くことを考えてた
その距離が現実的じゃなかったことがわかって
なぜ歩こうとしなかったのか
理由を探す夜がある
心にあった棘に
誰かが繋がってたとして
なぜ歩こうとしなかったのか
理由を探す夜がある
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