光を嗅ぐ/
たま
のだ
できることであれば
いや、
どうしても、生きなければいけない
残された時間がどうであれ
朱赤に染まるまで
生きなければいけない
冬の光を嗅ぐ者だけが
幾重にも染め上げられた枯れ衣を
この空に
解き放つことができる
それができないわたしには
この子のいのちが必要なのだ
色づき始めた人生の
すべてを解き放つために
DANSKEと歩く
残り僅かな、冬が必要なのだ
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