201912第一週詩編/ただのみきや
 
フォルムを刹那顕し
日の出の火の粉を微かに残しながら
チリチリと焦げもせず

悠然というのではなく
どこかとぼけた
モデルのように

在るように在り
成るように成り
流れるままに去って

悲しみではなく
印象だけを残す




深いものを書こうとすれば浅くなる
深みの底をつい見せたくなるから
浅いものがいい
水たまりには月が浮かんでいる




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わたしは矢印に沿って進まない
ミシン目に沿って切りはしない

どよめき粉塵立ち上る方へと進み
血の出る場所を無理に引き千切る

アンチじゃないがシンフォニーでもない
すべては絶え間ない明滅の裏表

一瞬をどちらで捉えたか
どちらでもいいがどちらかで振りかぶり

都度自爆する
ひとりの行進













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