命が軋む/こたきひろし
 
否応なく
孤独にならざる得ない暮らしのなかでも
悲しいのは
孤独に慣れてしまう事

そんな風に書かれた本を読んだ事がある
あれはたしか
孤独に暮らしていた
アパートの夜

完璧に幸せになんてなれないよ
そんな幸せ有るわけないし
あってもいらない

完璧に不幸せの癖が
ついてしまった
私だから

悲しいのは
幸せに焦りすぎて
躓いて
転んでしまう事

人は誰だって
否応なく
孤独そのものに
ならざる得ない時がくる

永遠へと
旅に立つ
その時

なんて
ありきたりに閉めくって
しまった
一編の詩


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