生まれるもの/浅見 豊
木々
いくつもの いくつもの
あかるさと
ささやきに満ちて
水 と
雲
眠り
よりそう風
はな と
こぼれ
触れる
空に
消える 影
湖(うみ)
へ
ながれる
しずけさ
声
指
いくつもの時
映りゆく
いくつもの季節を
かぞえ
水面(みなも)へと
くちづける 海
膚に
しずむ
朝
きらめく
いくつもの
あかるさと
ささやきに満ち
絶え間なく
はなれ
交わし合い
生まれ
消えるもの
地へ
水へ
記され また
記されることなく
消え
生まれるもの
生まれ出ぬものらに
よせて
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