枯れ木と少年/
若乱
落ちた紅葉の水辺に座る少年は
絶望するほどの
期待もないようだ
燃えるづけた劣等感も枯れて
未来におびえる焦燥も枯れて
生きている価値がないという言葉も枯れて
時を忘れるほどの楽しみも枯れて
枯れて枯れて
きれいさっぱり枯れはてた
そよ風を掴めないまま
ほんわりとただ
一人な幸福が香るだけ
日が暮れてゆく
水面にそっと浮かぶ落ち葉が
ふっと沈んだ
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