空白の家/
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空白の家があった
住人は凍えながら眠り起き
生活をしていた
彼らはそこにいなかったが
いないことが
いることを確かにする
そういう類のものだった
浮浪者が
毎晩
空白の家でコーヒーを飲む
お礼にお皿を洗う
たまにダンスをする
数あるコレクションから
シルクハットを一つ拝借する
「今日もお皿が綺麗ね」
「おや、シルクハットが一つなくなっているぞ」
その会話が
定番になっていて
繋ぎとめになっていて
彼らを安心して
凍えさせているのだった
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