アンダースローに投げ込まれ/こたきひろし
 
てね。あたしお父さんにもしもの事があったら
 ちゃんとお葬式してあげるから
 でも元気なうちは何としても再就職をして頑張ってね。

 そしてお母さんや私たちにできうる限りの努力をして、負 の遺産は残さないでグッバイしてね
とキッパリ宣告された

それを聞かされて俺は
 何だよさっきの意気込みとはかけ離れた結論じゃないか
と少なからず落胆した


ああそれは
ありがたいような情けないような
複雑な気分に堕ちた
夜だった
のだが

あの時は紛れもなく現実に叩き潰されそうで
否応なく絶望の刃を喉元に突き付けられた
救われようのない自分がいたのだ






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