普通の俳句 かも/こたきひろし
 
似非俳句詠んでこの世に唾を吐く

冬枯れに空は哭かないカラス鳴く

渡らない鳥が飛んでる俺阿呆

耳鳴りは老化の証し蝉がなく

軟骨が擦れて痛むよ朝夕に

老化した心と体湯に沈め

湯治する暇もお金もありません

耳垢を嫁にとられて極楽に

尻触る嫁の持ち物俺のもの

百円の煙草の火種耳障り

紙吹雪外れ車券の恨みまう

愛しいよ老いた倅に拝みたい

黄昏た俺の鼓膜に冬迫る

クマンバチ寄るな触るな炎天下
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