あり得ない妄想/こたきひろし
真っ青な大空
太陽がかんかんと燃えてやがる
やたら眩しいから
ためしにこの手でえぐり抜いてやりたい気分さ
この世界はあらかた人で埋まってしまったけど
人間って奴は息づかいが荒いよ
その内に地球上から空気も水もなくなってしまうぜ
名もない川の土手に立っていた
その頃も俺は名もない少年だったけど
川の向こう側は鬱蒼と樹木が生い茂る山肌で
時折
鳥が鳴くんだ
俺はいったいここへ何しにきたんだろ
十三にもなって頭が空っぽじゃ
先が思いやられるぜ
炎天下の真夏日だった
昼過ぎていた時刻
俺は川原に下りてみた
今ごろは上流の深い辺りで
俺と
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