よみがえります/こたきひろし
 
いつか何処かで
人は誰でもその身体を無惨に千切られて
灰にされて
風に飛ばされる

そんな
ご不幸を
御愁傷さまですと
何度も見送ってきた
けれど

いつかはきっと
御愁傷さまですと
見送られる日が来るのは
避けられない
弓の矢だ

よみがえりたい
よみがえります

きっときっと
かならず

愛しい人の
そばに還りたいよ

愛しい人よ
還ってきてよ

初めて契りを結んだ夜は
男と女だった
二人はケモノになって
むつみあったね

愛なんて見えないものが
果たして
そこにあったかは
解らない

どうでもいいよ
砂を掴むような
ものだから

人が
生きているなんて
もしかしたら
得たいのしれない魔物の
夢の途中に
過ぎないのかも
知れないんだけど

いつかは
私も御愁傷さま
と見送られるんだよね

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