雨が嫌いとかそういうわけじゃない/anne
雨に降られるのは別にイヤじゃない
ひらいた空色のかさ
道端にできはじめた
小さな水たまり 踏んで歩くよ
曲がり角曲がってわざと遠回り
指先が 少し冷たい
泣きたくなったらかさおろす
頬をたたく雨が 涙 かくしてく
探しているものがあるんだ
いつかもってたものとか
大切にしてる気持ちとか
りんかくさえぼやけて 不確かな
ものだ
雨の日は
白くまぎれて見えなくなってしまうんだ
細い糸のような雨のベール
かきわけるように 手をのばした
ぬれた髪から したたりおちる
雫が目にはいっただけだよと
自分に嘘をついた
大きくなった水たまり
自分の顔が
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