隘路(普遍的な絵の中で)/アラガイs
 

「快晴だ。空は海は、街も自由に、妖しく、
オパールの中に閉じ込めた景色
、なのにいつも時間を気にしているのは変だろう。」

ということで車を奔らせてみるのはいつものことだが、対向車から見えてくる表情をいつも気にする自分がいる。何故か弱気と内気が格闘し嫌気が相手にも働いてしまう。上から目線で見たいのか、これには困ったものなのだ。
カーラジオの耳を通り過ぎる声を聴いていると、つい閉じた唇が暇をもてあましてCDに切り替える。時折顔を左側に背けては大きな声を挙げる。そうして歌いたくなるこれもそのようなときの必須アイテムで、対向車からやって来る相手には気づかれないという、不必要にちょっとした気
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