海岸の妖精/
丘白月
冬の晴れた黄昏の海
彼の足元に波が打ち寄せる
私は背中に耳をあてる
このまま背中に溶けてしまいたい
おんぶされて見る景色は
夕日の味がした
並んで飛ぶかもめが聞く
「ついてくるかい?」
「いいわ羽根になる」と答えた
愛する人の羽根になって
どこまでも飛んで行きたい
もう脱いだ靴はいらない
戻る
編
削
Point
(2)