妖精のお掃除/丘白月
夜の公園で落ち葉が遊んでる
すべり台からジャングルジムへ
ブランコから砂場へ
きっと子供には見えてる
妖精が葉の下に葉の上に
隠れてなんかいない
私には見えないだけ
目で追うと
気づいたように
落ち葉が立ち止まる
あんなにあった落ち葉が
一晩で綺麗に片付けられる
妖精たちが大勢で
レンガの道を広げる
落ち葉はどこへ運ばれるのだろう
冬眠する虫たちに
優しくかけてあげるのだろうか
泣き出しそうな私の手のひらに
妖精が葉を一枚置いて行った
温かいね ありがとう
泣きたい夜はまた来るね
遠くで落ち葉の音がした
見えないけど聴こえたよ
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