見えない蜘蛛の糸/
佐白光
トイレの中であれこれと
考え事などしている時でした
蜘蛛が目の前にスースルリと
下降してきたのでした
名前も解らない小さな おとなしそうな蜘蛛でした
息を殺してジッと見ていると
一瞬止下降スピードが遅くなり
「おじゃまします」と感じたのです
床に降りて姿が見えなくなるまで
踏みつけないように動かづに
蜘蛛の糸は目を凝らしても見えません
糸につかまり逃げ出す考えは諦めました
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