もう冬でいいでしょう 【都々逸】/ただのみきや
 
休み増えても給料歩合 酒は増えても出かけない


端からなにも無かったくせに 失くしたものと想いたい


よどむ曇天どんより映す 病める瞳になにを読む


下手なエレキと下手な詩吟と 孫と爺がムキになる         


下手な俳優首を括った 自分一人を演じれず


相手かまわず和みはしない 古傷痛む季節なら


顔の半分マフラーに埋めて 埋まらぬ想い噛み締めて


甘いすっぱいしょっぱい苦い 日毎煮詰まる味も恋


鶏がら煮出し半日終わる なにを作るか決まらない


落した肩にそっと手を置く 風はやさしい世辞よりも


雪の匂いか{
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