白木蓮/霜天
 
包み込むような空をその手でそっとつかみそこねる白
今年も庭に咲く、あなたの日


下を向くくらいなら上を向いて
抱かなかった言葉の端で
あなたが笑う
スライドする、連続する写真で泳ぐ人は
僕らの夢の、頭の片隅の想像力
の少しだけ上を
抜き去っていく

その手のひらを
空いっぱいに広げて
大きな花を真似るあなたは
探る足元でわずかな隙間を
見せるように


いつでも、宛先不明の手紙の行く先は
夕暮れ
迷わずにあなたは
大空の、さりげなく、白く包み込む
てのひら
わかるようにと大きく振って


聞こえない、さよならで


もうすぐに咲いては散ってその手のひらで包み込むように
僕らを
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