秋月夜/トビラ
 
聡明な月明かりに照らされて
抒情が三番ゲートを離陸します

ホワイトライトの街明かり
滑走路にして飛び立って

神話の住まう星座たち
星図に道を定めたら

たばねた祈りを動力に
さめない夢を燃料に

明けない夜を行く
エアロプレイン

たましいを形に明瞭に
計器のゆらぎに目をくばせ
見えない未知を視認して
レバーを微調整する
星月夜

優しい光の乱反射
懐かしい歌が渦を巻く
疾走する慕情をふりきって

冴えわたる秋の夜を行く
コーンフラワーブルーの詩情

遮る二項対立を爆撃し
境界に並列する彼方と此方

花の組成を機体に刻み
夜空の先に進路をとって

朝霧に包まれる最果てに
息を吐いて着陸します
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