きみと花冠/這 いずる
川に流した花がたどる旅は
君の膝にかかるだろうか
にじられた花びらが
足元を汚している、って
造幣局の道でよく思う
浮かんでいるときだけ
目を奪う色の淡い
サフランの匂いが空を覆い
夜明けを待っている
きみの目に見える街路灯の光
バイクの排ガスでほこりっぽくなった
空気の
薄紫
働いてたレストランは
もう今日から行かなくていい
じっと光の流れをみる
テールランプの流星は
どこへも道連れにしてくれない
牛飼いの牛
骨ばっててきみより背が高い
引かれるまま神になる
もっとしあわせなところに貰われておいで
川が静かに
茶色い水面を夜明けの色と混じらせて
きみが見るもの
きみは声を荒げた
きみの花冠はずり落ちて
きみから離れていった
戻る 編 削 Point(3)