ちっちゃく咲いた白い花びら/秋葉竹
あたたかな風が吹く
ちいさな失望の疼きを覚えつつ
明るい雨の中で
ずっと生きていきたいと願う僕は
その落ちる雨の速さに追いつけない
ちっちゃく咲いた花びらみたいに白いじゃないか
なんといってもね
動く心臓を棄てる狂気も僕のものですから
僕は君の持っている
すべての世界の哀しみを
代わりに感じ取って
幸せも不幸せも
笑い顔も泣き顔も
喜びも寂しさも
君の歌いすぎで掠れた
色っぽいけど幼い声を思い出しながら
大切な君をやさしく抱きしめるためだけに
世界を救おう
そして君の哀しみを消してしまおう
ねぇ
君と僕の手と手を合わせて
世界の光を乱反射させよう?
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