信長の「敦盛」/日比津 開
約二万五千であるのに対し、信長が動員できる兵は
わずか二千から三千程度だった
普通なら勝てる筈がない
結果は、ご承知の通り
この戦いの勝利を機に信長は天下取りの階段を
駆け上がっていく
もし僕が同じ立場に置かれ、敦盛を舞ったら
ひどく気落ちし、諦めの観念となり
籠城し切腹した上滅んでいっただろう
そこが英雄と凡人の違いだ
信長は比叡山延暦寺の焼き討ちや長島の一向一揆での
大量虐殺などで悪魔的な面があるが
この舞や茶の湯を好んだこと、安土城の天守に描かせた
壁画などを見ると特別な美意識のある人だったように思える
武将として強い信長も良いが、そういう芸術家的な側面を持つ
信長が僕は好きだ
本能寺の変がなかったら、どんな世の中になったか?
もっとも、本能寺で遺骨など跡形もなく消え去ったのが
信長らしい
信長が舞った「敦盛」をとても真似できるものではないが
僕も一度舞ってみてどんな心情になるか、試してみたい
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