無題/朧月夜
 
また、一つのことが終わり
また、一つのことが始まる

終わらない人生のように、それは終わらない
また、くりかえす……

命をつなぐ糸のように
私のつかんでいる一本の想い。

そこから、そこへと、
転がってゆく運なんて!

私をとらえて離さない
私を殺して止まない!

忘れたい夢のように、いつか
忘れない想いのように、いつも

私は怖くて踏み出せない
私を恐れて近よらない……

そこにもあって
ここにだってある、

また、いくつかの形をとり
また、どこかの岸辺を廻り

うちよせられている、貝がら一つ
私のまわりでは花咲いている、世界の欠けら。
戻る   Point(4)