でんしゃじてんしゃ/木村きむ
 
ひとり取り残された部屋
煙草とコーヒーのにおい
片付けていたら虚しさだけが残った
「なんで私ここにいるの?」

(空白)

ホーム柵が私の邪魔をする
乗り越えるにはスカートがひらひらし過ぎていて
ただぼうっと通過する電車を見てた
「はじめからそんな気はなかったのよ」

(空白)

帰りの坂を自転車でしゃーって下ったら
秋風がとても気持ち良くて

麦わら帽子はそろそろ季節外れだな
今度はベレー帽をかぶろうね
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